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合金別適用事例
マグネシウム合金
Mg-Al二元状態図
Mg-Alの二元系平衡状態図を計算した事例です。各合金組成において生成しうる相(金属間化合物相)や、α-Mg相と平衡するMg17Al12相などの予測、Al側へのMg固溶量(最大で12.7wt%(16.6at%)@436℃)を計算することが出来ます。
Mg-Alの状態図(縦断面図)
計算にはTCMG6データベースを使用
Mg0.667Sn0.333-Mg0.54Al0.46擬二元状態図
Mg-Al-Sn系においてMgSnとMgAlの間で、合金中の元素比をそれぞれ固定し、擬二元系の縦断面状態図を計算した事例です。Al量が増加時の液相線などへの影響を評価可能です。
Mg0.667Sn0.333-Mg0.54Al0.46 の状態図(縦断面図)
計算にはTCMG6データベースを使用
E. Doernberg et al., Experimental Investigation and Thermodynamic Calculation of Mg-Al-Sn Phase Equilibria and Solidification Microstructures, J. Phase Equilibria Diffus. 28, 523–535 (2007).
Mg-Al-Zn液相面投影図
Mg-Al-Zn系において液相面投影図を計算する事例です。表示する面よりも高温域で液相のみが存在する境界を示しており、合金系で最も融点が低くなるような組成を予測することができます。
Mg-Al-Zn液相面投影図
計算にはTCMG6データベースを使用
D. Petrov et al., Aluminium-Magnesium-Zinc, in Landolt-Boernstein New Series IV/11A3, pp. 191–209, (2005).
Mg-Al-Zn固相面投影図
Mg-Al-Zn系において固相面投影図を計算する事例です。表示する面よりも高温域で液相が存在する境界を示しており、合金系が解け始める温度が高く、もしくは低くなるような組成を予測できますす。
Mg-Al-Zn固相面投影図
計算にはTCMG6データベースを使用
Mg-8Gd-0.6Zr-3(Nd, Y) のScheil凝固計算
Mg-8Gd-0.6Zr-3(Nd, Y) 合金系の中で、Nb3、Y0合金の凝固過程における固相分率の変化を計算した事例です。左図ではNd3、Yを0としていますが、右図はNdとYの添加量を変更した各合金系のScheil計算結果を比較しています。合金添加元素を変更した際の凝固挙動(偏析や晶出物、変態温度)の変化の予測や液相中の濃度変化、体積収縮などの評価も可能です。
Mg-8Gd-0.6Zrのシャイル凝固計算
Mg-8Gd-0.6Zr-3(Nd, Y) のシャイル凝固計算
AZ91(Mg-Al-Zn系)のScheil凝固計算
ダイカスト用合金として代表的なAZ91(Mg-8.82Al-0.91Zn-0.31Mn wt%)において凝固過程における固相分率の変化(左図)と各相の割合(右図)を計算した事例です。Al12Mg17の他に、核生成サイトとも予想される実験的に観察の難しい微量なAl8Mn5、Al11Mn4、Al4Mnの3つのAl-Mn化合物相の生成が計算されました。
AZ91のScheil凝固計算
各相の割合
Y. Wang et al., The effect of Al8Mn5 intermetallic particles on grain size of as-cast Mg–Al–Zn AZ91D alloy, Intermetallics. 18, 1683–1689 (2010).
AZ91D(Mg-Al-Zn系)のScheil凝固計算
AZ91D(Mg-8.82Al-0.91Zn-0.31Mn-0.15Fe(wt%))において鉄が不純物として存在する場合の、凝固過程における固相分率の変化(左図)と各相の割合(右図)を計算した事例です。凝固過程においてB2-AlFe相の次にAl8Mn5相が生成することを解析しています。
AZ91DのScheil凝固計算
各相の割合
G. Zeng, et al., Nucleation and growth crystallography of Al8Mn5 on B2-Al(Mn,Fe) in AZ91 magnesium alloys, Acta Mater., 153, 364-376 (2018)
Mg-Gd合金における熱伝導率
Mg-Gd合金における熱伝導率を計算した事例です。Mg基合金向け熱力学データベースTCMG6には熱特性のデータが含まれており、熱伝導率、熱抵抗率、熱拡散率の計算が可能です。グラフは種々のGd濃度の合金におけるHCP_A3相の熱伝導率の温度依存性を計算し、Huangらによる実験値と比較しています。
Mg-Gd合金における熱伝導率の温度依存性
計算にはTCMG6データベースを使用
L. Huang, “Experimental measurement and computational simulation of thermal conductivity of Mg-Al-Zn and Mg-Gd-Y system”, Central South University, Master's thesis (2019)
Mg-Ag合金における電気抵抗率
Mg-Ag合金における電気抵抗率を計算した事例です。Mg基合金向け熱力学データベースTCMG6には電気特性のデータが含まれており、電気伝導率、電気抵抗率の計算が可能です。グラフはMg-AgにおけるHCP_A3相の電気抵抗率のAg濃度依存性をSalkovitzらの実験値と比較しています。
Mg-Ag合金における電気抵抗率の組成依存性
計算にはTCMG6データベースを使用
Salkovitz, Edward I., Albert I. Schindler, and Erwin W. Kammer. "Transport properties of dilute binary magnesium alloys." Physical Review 105.3 (1957): 887.