バージョン情報
3次元有限差分法解析システム FLAC3D V.4.0
3次元有限差分法解析システム FLAC3Dバージョン4.0では、解析、操作処理が高速化され、また、全く新しいユーザーインターフェイスを装備しています。計算ソルバー部分の信頼性は確保されたまま、操作性は完全に刷新され、大幅に強化されています。
処理速度の大幅な高速化
FLAC3D V.4.0は、計算、結果表示、コマンド処理が大幅に高速化しています。ベンチマーク計算では2~100倍のスピードアップが確認されています。
ユーザーインターフェイス再設計による機能向上
ユーザーインターフェイスを再設計したことにより、結果表示はより速く、より効率的で使いやすくなっています。また、新たな機能も満載されています。
結果表示機能の機能向上
レンダリング表示速度は3次元グラフィックス機能強化により大幅に向上しています。
また、透過、クリッピング、アイソサーフェス、DXFイメージ他を含む表示など、全く新しい可視化機能が追加されています。
編集機能の追加
プロジェクト管理とエディタが組込まれたことにより、FLAC3Dは独立したプログラムとして使用することも、あるいはユーザーが使用しているサードパーティーのツールとともに使用することも可能です。FLAC3Dのユーザーインターフェイスの中から表示中のデータファイルを実行することも出来ます。
バージョンアップ項目の概要
FLAC3D V.4.0のバージョンアップ項目の概要を以下に示します。
パフォーマンスの改善
FLAC3D V.4.0では多くのコマンドや、いくつかの計算機能、そして全てのグラフィックスについて高速化されました。FLAC3D V.3.1に比べ以下のように改善されています。
計算機能の高速化
- mixed-discretized grid*の計算:最大約2倍(CPU:quad-core i7を使用した場合)
- Nodal Mixed Discretization*を使用した計算:最大約3倍
*要素(Zone)内部にサブ要素(Subzone)分割を用いた離散化方法
コマンド、操作の高速化
- GEN ZONE:10倍以上
- GEN COPY:10倍以上
- GEN REFLECT:10倍以上
- GEN MERGE:10倍以上
- モデルのクリア:最大約100倍
- モデルのセーブ、リストア:最大約3倍
- グリッドファイルのインポート:最大約3倍
- FISHを使用した空間検索(gp_near, z_near, z_containing):最大約100倍
新たなユーザーインターフェイス
FLAC3DのユーザーインターフェイスはV.4.0で完全に刷新されています。以下に改良項目の概要を示します。
- 3次元グラフィックス機能強化により、レンダリング表示速度が劇的に向上しています。
- 全ての表示操作とツール操作は、ユーザーが思うとおりにインタラクティブに行うことが可能です。
- ビルトインエディターでFLAC3D固有のデータファイルを編集でき、直接実行することも出来ます。
- Project fileとプロジェクトダイアログを使用することでプロジェクトの管理が可能となります。
- プログラムの環境設定とプロジェクト設定は、容易にアクセスでき、一箇所でまとめて設定できます。
レイアウトのカスタマイズ機能
V.4.0では、ユーザーが希望する画面レイアウトを構築出来るような、フローティング、ドッキングダイアログを使用できます。また、4つのビルトインレイアウトオプションが提供されています。ユーザーがカスタマイズしたレイアウトは保存可能で、その後作成するプロジェクトに適用することも出来ます。これらの機能を使用することにより、複数の結果表示ダイアログを同時に表示しておくことも可能です。
プロジェクト管理
FLAC3D V.4.0のデータは、Project file という新しいファイルタイプで保存されます。
Project fileはData File、Save States、Plot Fileを1度に参照し、プロジェクトダイアログに表示されます。プロジェクトダイアログには関連した全てのファイルが表示されるので、ユーザーは手早くファイルを開閉することができます。
Project fileとプロジェクトダイアログによりプロジェクト管理は容易になります。
データファイルエディタ
テキストファイルは、FLAC3Dエディタにロードすることが出来ます。
このエディタは、一般の編集機能(カット、ペースト、選択、その他)を持つだけでなく、データファイルの中で問題のある構文をハイライト表示することも可能です。
また、表示しているデータファイルを実行することもできます。
新しい可視化機能
V.4.0では3次元グラフィックスの高速化に加えて、モデル結果表示のための多くの新しい機能が提供されました。
これにより、モデル可視化の能力は劇的に向上しています。
主な追加機能は以下の通りです。
Profiles
Stereonets
DXF files
Isosurfaces
Scale box
Clip Box
Interactive Cut Planes
Transparency
Shading
自動フレームキャプチャー
「Options」ダイアログの「Movie」を使用して、ユーザーは結果表示のキャプチャー方法の設定をすることが出来ます(キャプチャーされた画像は、複数のビットマップフレームを含む1つのビットマップセットになります)。作成されたフレームのセットから、ユーザーは、ユーザーが普段使用しているムービー作成ツールを使ってムービーファイルを作成することが可能です。
キャプチャーする結果表示のセッティングは、ボックスをチェックするだけです。
このダイアログで、キャプチャーする頻度、ファイルフォーマット、サイズ、キャプチャーフレームの名前を設定できます。
その他追加機能
FISH
Local variables
Function arguments
Command-line debugging
Improved error messages
Vector types
Dynamic arrays
Zone field data functions
C++ FISH intrinsic plug-ins
結果表示
Interactive clipping box
Iso-surfaces
Line profile
Zone group plot showing internal group boundaries
Equal angle stereonet of principal stress/strain orientations, as well as FISH extra values
DXF files
FISH function plotting
Scale box
その他
Improved C++ Constitutive Model plug-in interface.
Improved GROUP range element.
FISH range elements.
User-defined scalar, vector, and tensor fields.
CYSoil model.