均質化法がつなげるマルチスケールの世界(2)
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 山本 琢也
樹脂繊維強化複合材を対象とする有限要素解析においてマルチスケール手法を適用することは、複合材部材が有する階層的な構造、すなわち繊維や繊維束などのミクロ・メゾスケールな内部組織と、マクロスケールな部材全体を同時に解析することを可能とする。その利点として(1)負荷を受ける複合材部材の内部組織の状態を解析できること、および(2)内部組織の状態を部材の材料物性へ反映させることで精度の高い解析を実現できることが挙げられる。本講演は、(1)のためのマルチスケール手法として3つの異なるスケールの構造(ミクロ・メゾ・マクロ)を同時に解析できる3重の重合メッシュ法であるM3(エム・キューブ)法を、また(2)のための手法としてDirect Micromechanics Method (DMM)を適用事例とともに紹介する。
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