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事例紹介

Exabyte.io

高分子

熱可塑性樹脂の引張シミュレーション

三菱ガス化学株式会社で作成されている熱可塑性樹脂:MXD6 新しいウィンドウで開くを用いて、分子動力学計算で引張シミュレーションを行った。ここでは、歪み速度を変えたベンチマークを紹介する。

図1 MXD6の化学構造 図1 MXD6の化学構造

シミュレーションに用いたMXD6の重合度nおよび、分子数、原子数を示す。

重合度 n 40
分子数 25 分子
原子数 36,075 原子

シミュレーションに用いたソフトおよび計算条件を示す。

計算ソフト GROMACS 2018.3
力場 OPLS-AA
パラメータ設定にはPolyParGen 新しいウィンドウで開く [1] を使用
タイムステップ 1 fs
アンサンブル NVT
温度 300 K
温度制御 Nose-Hoover
歪み速度 10,000, 5,000, 2,500, 1,000, 500, 50 /msec.
計算マシン GPU;Tesla P100
図2 MXD6の引張シミュレーション 図2 MXD6の引張シミュレーション

歪み速度が遅くなると引張最大強度が減少している。減少する理由は、ゆっくり引っ張ることで樹脂構造の緩和がより行えるために、全体のストレスが小さくなるためである。

シミュレーション時間を分かりやすく示すためX軸をシミュレーション時間にした図を示す。

図3 X軸をシミュレーション時間にした場合のMXD6の引張シミュレーション 図3 X軸をシミュレーション時間にした場合の
MXD6の引張シミュレーション

各歪み速度でかかった計算時間とコストを示す。

歪み速度 [/msec.] 計算時間 [hour] 金額 [ドル] ※2
10,000 12 11
5,000 26 22
2,500 50 44
1,000 103 90
500 206 181
50 ※1 472 830

※1 GPU:P100を2枚使用
※2 セービングノードを使用

クラウド計算機を用いることで、同時に複数の歪み速度を変えた計算を実行することができる。ここでは、同時にGPU:P100を7枚用いて計算を行っている。1枚のGPUマシンを揃えるのに、100万から200万ほど必要になる。さらに7枚のGPUマシンを揃えると膨大な費用になる。7枚の GPU:P100のマシンを揃える設備費と比べた場合、クラウド計算機の方がコストと研究時間の面で優れていることが分かる。