
離散系のシステムモデリングとシミュレーション解析
本書は学問としてのオペレーション・リサーチの一環としてのシステムシミュレーションの解説に留まらず、実務までも考慮しています。最近では、高度な多品種少量生産を具現化するために搬送に着目したシミュレーションが多いですが、その基礎となる運搬モデリングについても、実務者レベルでの考慮を初学者にも理解できるように配慮しています。また、システム設計や評価などに従事するシミュレーション技術者向けには、あらためて、離散系のシステムシミュレーションの基礎を学べるように配慮しています。 |
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執筆者
- 樋口 良之 国立大学法人福島大学 理工学群共生システム理工学類 助教授 博士(工学)(第1,2,3,6,8章、付録)
- 川向 肇 兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科 助教授 学術修士(都市地域計画学)(第2,3,4章)
- 伊呂原 隆 上智大学 理工学部 助教授 博士(工学)(第5章)
- 斉藤 伸也 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学システム事業部製造ソリューション部 (第7章、付録)
- 松田 祐哉 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学システム事業部製造ソリューション部 (第8章)
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まえがき
離散系のシステムシミュレーションは、対象となる生産物流システム、社会システムなどを再現し、解析するための重要なものである。現在では、実物実験が不可能な大型のシステム、実験が極めて困難な社会システムなど、多様な分野において離散系のシステムシミュレーションを活用した研究、開発は日常的に行われるようになっている。
一方で、離散系のシステムシミュレーションに関する教科書や参考書は、オペレーションズ・リサーチの中で小さく採り上げられるか、あるいは、特定のシステムシミュレータの解説を中心にしたものが多い。本書は、学問としてのオペレーションズ・リサーチの一環としてのシステムシミュレーションの解説にとどまらず、実務での利用までも考慮している。最近では、高度な多品種少量生産を具現化するために搬送に着目したシミュレーションが多いが、その基礎となる運搬のモデリングについても、実務者レベルでの考慮を初学者にも理解できるように配慮されている。また、システム設計や評価などに従事するシミュレーション技術者向けには、あらためて、離散系のシステムシミュレーションの基礎を学べるように配慮されている。
本書の執筆にあたり、大学などの高等教育機関において、離散系のシステムシミュレーションを活用し、システムのモデリング、解析、最適設計などの研究を行い、シミュレーション教育研究の第一線で活躍している諸氏に分担を依頼した。また、事例解析は、膨大な数々の事例に携わり、研究開発の第一線で活躍している諸氏に分担を依頼した。
本書は全8章と3つの付録で構成されている。本文では、離散系のシステムシミュレーション解析の進め方、取扱われるモデル、得られたデータの分析方法について、基礎からしっかりと書かれている。また、実際のシミュレーション解析の手順がよく理解できるように付録を整理した。
現在、市販されているシミュレーションのツールは、かなり複雑な問題も取扱うことができ、使い勝手も向上している。ぜひ、本書で離散系システムシミュレーションを学び、社会に役立つシステム解析をしていただければ幸いである。
本書の出版にあたっては、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社科学システム事業部製造ソリューション部にて事務局をご担当いただいた。特に、終始執筆活動をご支援いただいた山添一夫氏、長谷川達哉氏に厚くお礼申し上げる。また、出版にご協力いただいた株式会社三恵社の木全哲也氏にお礼申し上げる。
2006年12月1日
編著者 |
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目次
- 第1章 システムシミュレーション
- 1.1 モデルとシミュレーション
1.2 離散系シミュレーション
1.3 シミュレーションの目的と手順
1.4 シミュレーションの動向
第2章 モデルとモデリング
- 2.1 モデルの役割
2.2 モデリングの意義
2.3 モデリングの手順
2.4 確定モデル
2.5 確率モデル
2.6 推論モデル
第3章 待ち行列理論によるシステム解析
- 3.1 待ち行列理論と離散系シミュレーション
3.2 待ち行列の性質
3.3 ケンドール記号によるシステムの表記
3.4 待ち行列理論の適用
3.5 遷移図と待ち行列
3.6 複雑な待ち行列の解析
第4章 解析に用いられる確率分布
- 4.1 負の指数分布
4.2 アーラン分布
4.3 正規分布と切取られた正規分布
4.4 三角分布
4.5 一様分布
4.6 実測値から分布を導出する方法
4.7 解析に用いる確率分布の選定
4.8 確率分布による事象の再現
第5章 シミュレーションによる評価と統計的解析手法
- 5.1 シミュレーション結果のまとめ方
5.2 システムの評価項目
5.3 シミュレーションと最適化
5.4 最適化問題の事例1
5.5 最適化問題の事例2
第6章 離散系のシミュレーションと基本モデル
- 6.1 離散系のシミュレーションの定義
6.2 離散系シミュレーションによる解析
6.3 パーツのモデル
6.4 バッファのモデル
6.5 サービスのモデル
6.6 作業者のモデル
6.7 運搬のモデル
第7章 離散系のシミュレーション解析の事例
- 7.1 部品加工ラインの能力検証
7.2 FMSの能力検証
第8章 離散系シミュレーションの連続体のモデル
- 8.1 連続体の定義とシミュレーションでの注意
8.2 流体などの連続体のモデル
8.3 タンクのモデル
8.4 反応器のモデル
8.5 パイプのモデル
8.6 離散変化モデルと連続変化近似モデルの達成
8.7 連続体のシミュレーション解析事例
付録A1 システムシミュレータ WITNESSの活用
付録A2 WITNESSによるモデリングとシミュレーション
付録A3 運搬のモデルと熟練作業者の推論モデルの事例
参考文献
索引
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定価
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