HOMEテクニカルレポート地震動シミュレーションとレシーバー関数解析を用いた仙台平野の3次元地下構造モデルの評価

地震動シミュレーションとレシーバー関数解析を用いた仙台平野の3次元地下構造モデルの評価日本地球惑星科学連合2007年大会

概要

本研究では,防災科学技術研究所の「地震ハザードステーション(J-SHIS)」で公開されている仙台平野の地下構造モデルを使用して地震動シミュレーションを行い,K-NET,KiK-netの観測波形の再現性について検討した.また,再現性の悪い地点について地震記録のレシーバー関数解析によってモデルの妥当性を評価した.
近地の深い地震(2004/04/04,北緯38.18 度,東経141.68 度,深さ47km,M4.2)のシミュレーション結果は,多くの観測点で観測波形を概ね良く再現していた.ただし,堆積層が最も厚い地域に位置するMYG004(築館)やMYG006(古川)では,振幅が大きく継続時間の長い観測記録の特徴が再現できなかった.これは,本来深い堆積層によって増幅されるはずの波が,モデルの不適切さのために十分増幅されなかったことを示唆している.
そこで,これら2地点において地震記録を用いたレシーバー関数解析を行い,地下構造モデルの妥当性を検討した.解析の結果,地震基盤の深さはMYG004(築館)で約2.4km,MYG006(古川)で約2kmとJ-SHISのモデルより深く,堆積層がより厚いことが示された.厚い堆積層は地震動を増幅する一因であり,これら2地点で計算波形の再現性が良くなかったことが定性的には説明できる.
今後は更に他の観測点でもレシーバー関数解析を行うとともに,その結果を地下構造モデルに反映させて,再度シミュレーションを行って観測波形の再現性が向上することを確認する必要がある.

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  日本地球惑星科学連合2007年大会(2007年5月)
地震動シミュレーションとレシーバー関数解析を用いた仙台平野の3次元地下構造モデルの評価
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