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コラム:建設系

プラント分野における地盤・構造一体解析

建設ビジネス推進部 解析システム課 松浦 敦

[2020/01/15]

湾岸地域には、重要な基幹プラントが集中していますが、建設から40年以上経過しているプラントも多くあり、近い将来に起こりうる大規模地震に対する耐震補強、液状化対策などが課題となっています。
このような背景の中、高圧ガス保安協会では、従来の仕様規定である耐震告示では今後想定される大規模地震に対して大きな損傷をうける可能性を排除できないとし、昨年度、性能規定化された耐震告示が示されました。この改定に伴い、基礎・地盤との動的相互作用を考慮した動的解析手法・モデル化の検討についても例示が示されており、一体解析のニーズが増えつつあります。

今回、ご紹介するSoilPlusは、自社開発の汎用の三次元非線形FEM解析コードで、橋梁、ダム、トンネルなど土木・建設分野で30年の実績があるソフトウェアです。従来からトンネル、ダム、橋梁などの土木・建設分野の解析において広く使用されていますが、上述した耐震告示等の改定を機に、プラント分野での活用も増えています。

構造・地盤の連成問題に三次元FEM解析で検討する利点は、一体でモデル化することで動的相互作用問題が自動で表現でき、現象を適切に精度よく表現できることです。その他にも耐震評価後の補強検討にも活用しやすいという点も大きな利点です。
三次元FEM解析では、構造をそのままモデル化するので、複雑な形状を表現でき、改良パターンが不規則な場合などにも柔軟に対応することができます。
また、増杭や地盤改良などの補強対策でもモデルに反映することで表現できます。例えば増杭であれば追加する杭の位置に要素を追加する、地盤改良であれば改良範囲の地盤要素の材料物性を変更することできます。いずれも比較的軽微なモデル修正で対応が可能な場合ですので、様々な補強案に対して最適な補強案を検討することが可能です。

図1 補強案(地盤改良範囲)の検討

図1 補強案(地盤改良範囲)の検討
※赤部が改良体

複雑な事象を表現できるということは応答結果を理解する上でも難しくなるという面もあります。三次元FEM解析が万能で全てが良いということでは決してありませんが、上手に使えれば大きな武器となることは確かです。
CTCでは社会の安全・安心に対して技術的に貢献できることを目指して、今後もソフトウェアの改良・改善に努めていきたいと思います。

図2 SoilPlusシステムイメージ図

図2 SoilPlusシステムイメージ図

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地盤・浸透・耐震統合解析システムSoilPlus のご紹介ページはこちら
http://www.engineering-eye.com/SOILPLUS/