コラム:衝撃・安全
科学・工学技術部 CAE技術課 竹井 隆朗
[2019/08/23]
非線形・動的・流体構造連成シミュレーションツール LS-DYNAは衝撃問題から準静的な塑性加工問題まで解析可能な汎用有限要素解析ソフトウェアであり、様々な分野のCAE技術者に利用されています。構造・流体・熱・電磁場解析や、それらを連成させた解析が可能となっており、様々な現象の解析が可能なソフトウェアとなっています。
今回のコラムでは、2019年5月14~16日に開催された12th European LS-DYNA Conferenceへの参加報告をさせていただきます。
LS-DYNAのユーザー会は毎年、米国、欧州で交互に開催されており、これまでに米国で15回、欧州で11回開催されています。今年はドイツのコブレンツという町で開催されました。コブレンツは、教会や宮殿、かつての貴族の館が2000年余の歴史の偉大な遺産として残っており、ドイツで最も美しく古い街といわれています。また、ライン川とモーゼル川が合流する地として有名で、町の北にある岬はドイチェス・エック(ドイツの角)と呼ばれ親しまれています。
今回のユーザー会には、世界各国の自動車メーカー、材料メーカー、ソフトウェア、私たちCTCを含めたLS-DYNA販売代理店などから500名以上(30ヵ国以上)の参加者が集いました。14件の基調講演、約180件の一般講演、その他ワークショップの開催や35件のブース出展がありました。車両開発、電気自動車、複合材関係、フォーミング、接合、衝突関係、HPC、Isogeometric、最適化、粒子法、ICFDなど様々なセッションが用意されました。近年注目が集まっている機械学習に関する講演もあり、CAE業界における注目度の高さを改めて感じました。
CTCからは2名参加し、各国の技術者と情報交換、技術PR活動を行いました。また、一般講演にて下記の発表を行いました。
過去にご紹介したコラムに関連内容の記事がございますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。 http://www.engineering-eye.com/rpt/column/2019/0313_impact-safety.html
下記に主な講演についてご紹介します。
2日目のプログラム終了後には、参加者が一堂に会するディナー交流会が開かれました。会場のステージでは現地の芸人さんのジャグリングショーなども催され、様々な企業・国を超えた交流が夜中まで続きました。3日目朝一のセッションでは、多くの方々がどこか眠そうな表情をされているような気がしましたが、こういった交流で親睦を深めることができるLS-DYNAユーザー会ならではの良さを感じました。
ユーザー会に併設されたトレーニングセミナーに参加しました。LS-DYNAの基礎理論に関する内容から、新機能に関する内容まで、LS-DYNAの開発者から直々に講義を受けることができ貴重な経験となりました。
非線形・動的・流体構造連成シミュレーションツール LS-DYNA についてはこちら
http://www.engineering-eye.com/LS-DYNA/