HOME技術コラム材料設計分野国際会議活動報告

コラム:マテリアルデザイン

材料設計分野国際会議活動報告

CAEソリューション営業部 材料ビジネス課 野本 祐春

[2016/08/26]

2016年度上期は材料設計関連分野においては、材料熱力学・状態図計算に関する国際会議「CALPHAD会議」と環太平洋先端材料とプロセッシング国際会議「PRICM」という大きな国際会議が開催されました。それぞれの会議にCTCの材料設計分野のメンバーが参加しました。それぞれの会議の概況について報告します。

CALPHAD会議

CALPHAD会議は1973年から続く、材料熱力学・状態図計算に関する国際会議です。
この分野では、世界最高峰の学術会議とされ、世界中から第一線の研究者が参集します。各国持ち回りで開かれ、今回で45回目、日本で開催されるのは実に20年ぶり、京都で開かれて以来となります。CTCは、本会議のスポンサーとして参加し、予稿集やホームページにロゴが掲載され、大会中にソフトウェアデモも行わせて頂きました。また、CTCからは、ポスター発表を1件、座長を1件務めさせていただいております。Thermo-Calc社もスポンサーとして参加し、予稿集の裏表紙に広告を掲載しました。

会議では、多くのThemo-Calcユーザーともお会いすることが出来ました。学術表では、ヨーロッパを中心とした、第三世代熱力学データベース(絶対零度から比熱を合わせ、純安定、非平衡相についてもの合理的なデータを作成することに主眼)開発の話や、中国を中心とした、酸化物や合金のアセスの話、米国を中心とした、CALPHAD応用の材料開発の話等、世界最先端の研究発表が有り、活発な議論が繰り広げられました。大会のプログラム等は、以下のページから見ることが出来ますので、ご興味の有る方は、ご覧ください。

CALPHAD会議の詳細

http://www.calphad2016.org/

イメージ

PRICM9

イメージ

PRICMは環太平洋各国の金属学会共催の会議で3年毎に開催されています。今回は第9回で京都での開催となりました。鉄鋼をはじめとする合金特性、凝固などのプロセスならびに材料シミュレーションが主要なテーマとなっています。ポスター発表を含めると1000件を超え講演となっており非常に大きな会議となっていました。今回の特徴としては積層造形プロセス(3Dプリンタ)が全日程を通したセッションとして設定されておりその注目度の高さが理解されます。CTCもこの分野に注目しており事例解析を推進して逐次公開する予定です。

本会議には当然ながら多くのThermo-Calcユーザー加し多くの研究でご利用されていることから、開発元スウェーデンからThermo-Calc開発マネージャーが来日し展示ブースを開設しました。CTCからも営業を始めメンバーが交代で展示対応にあたりました。会期中多くの方々に足を止めて頂きご質問ご意見を頂くことが出来ました。また、研究の最前線に接することでThermo-Calc利用状況や方向性を知ることができ、今後のサービスに活かして行きます。

材料シミュレーションセッションでは、Thermo-Calc社およびCTCから講演発表をしました。Thermo-Calc社からはICME(Integrated Computational materialEngineering)コンセプにもとづき機械特性データベースモデルの開発状況について報告されました。今後、逐次データベースに機械特性が追加されて行く予定です。CTCからは下記のテーマにてTQインターフェースを用いた独自のマルチフェーズフィールド法プログラムの開発について発表をしました。今後ともCTCでは充実した販売・コンサルタント力を維持発展させるため、応用技術力の向上に努めます。

PRICM9の詳細

http://web.apollon.nta.co.jp/PRICM9/

統合型熱力学計算システム Thermo-Calcの紹介ページはこちら
http://www.engineering-eye.com/THERMOCALC/index.html

マルチフェーズフィールド法金属組織形成計算ソフトウェア MICRESSの紹介ページはこちら
http://www.engineering-eye.com/MICRESS/index.html

このページの先頭へ