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コラム:マテリアルデザイン

析出成長予測ソフトウェア TC-PRISMAの活用例

CAEソリューション営業部 材料ビジネス課 野村 裕子

[2016/03/01]

画面イメージ

自動車車体などに使われる鋼板にHigh Strength Low Alloy Steel(HSLA)とよばれるものがあります。これは、添加可能な成分の量に限りがあるため鋼の中では低合金となりますが、機械特性や耐候性は一般的な炭素鋼より優れています。

HSLA鋼の基本添加成分はV(バナジウム)にNb(ニオブ)、それから微量のTi(チタン)になりますが、NbはVと比較するとより結晶成長を抑制する効果があり、また、Nbを添加することで析出硬化により降伏力が上昇することが期待されます。ここで、析出硬化による強度向上の度合いNbC(Nb炭化物)の析出量とサイズに起因するところが大きいため、NbCの析出制御はHSLA鋼の製造に非常に重要です。

弊社で取り扱っています「TC-PRISMA」は相、多成分系の任意の熱履歴における核生成、成長/消失、粗大化を同時進行で計算するソフトウエアです。析出粒の数密度、サイズ分布等が出力可能です先月行われましたHSLA Steels 2015,Microalloying 2015 & Offshore Engineering Steels 2015ではTC-PRISMAの開発元Thermo-Calc SoftwareABのDr.Shan Jin、Dr.Qing Chenらにより、TC-PRISMAによる複数の組成、温度条件におけるNbCの析出シミュレーションについて、実験と非常に良く合うことが報告されております。他にもNiやAlなど析出硬化が機械特性に影響を及ぼす様々な合金があります。これからの次世代材料開発にTC-PRISMAがお役に立てれば幸いに思います。

TC-PRISMAの紹介ページはこちら
http://www.engineering-eye.com/TC-PRISMA/index.html

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