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コラム:機構・切削

モデルベース開発へのアプローチ

科学システムサポートチーム MBD技術課 西浦 友子

[2016/02/19]

近年、自動車開発において「モデルベース開発=MBD」という考え方は重要な地位を占めるに至っています。MBDはいわゆるV字モデルを用いて説明されることが多く、初期の概念設計段階でいかに有効活用できるかが重要となります。
一方、MBDという用語は内容に関する許容性が高いため、その定義や利用目的は分野や対象によって様々です。
CTCではこれまで培った解析技術を基盤として、以下のアプローチを中心に「モデル化技術の構築」や「実用モデルの開発」に関する技術提供を行っています。

要因の見える化

製品に対して求められる仕様に対し、製品の機能や性能を洗い出して構成要素に細分化することで、要求仕様と構成要素の相互依存関係を整理し把握します。これにより、要求仕様に対しどの構成要素が影響するかが「見える化」され、設計検討の効率化を図ることができます。

要因・寄与度分析

製品の構成要素に対して性能を見積もることが可能な基本モデル(=機能モデル)を用意し、実験計画法などのパラメータスタディを実施し、機能に対して寄与度の高い部材やサブシステムを確認します。更にこの結果をもとに基本モデルを精錬します。

物理モデル構築(定式化)

汎用CAEソフトウェアはノウハウの点から内部仕様がブラックボックスになっている箇所が少なからず存在します。それらに対して文献調査や実験結果の分析等を通して、物理的な見地からの定式化を行うことで不明部を明らかにし、さらなるカスタマイズやモデルの洗練等を可能にします。

コード開発

汎用CAEソフトウェアで表現できないモデルを構築する場合や最新の研究成果をモデルに取り入れる場合、目的に合わせてユーザサブルーチンの開発から専用解析プログラムの開発までを行います。

連成シミュレーション

連成シミュレーションにより、サブシステム間の相互作用や過渡特性の把握を通して予測精度の向上を図ります。連成シミュレーションにはマルチドメイン(例えば流体と構造等)解析のほか、メカと制御の連成解析、ソフトとハードの連成解析などがあります。

V&V

V&V、すなわち検証と妥当性確認(Verification & Validation)の考えに則り、モデルの適用限界や精度などを明らかにすることを通してモデルの品質管理を行います。

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