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特徴GeoWAVE:大規模3次元地下構造地震波伝播解析ソフトウエア

有限要素法(FEM)による大規模地震波動伝播解析の実現。

ボクセル型有限要素法による画期的なソルバにより、高価な並列計算機やEWSを使用することなく、単一またはデュアルCPUのパソコン上で1億自由度規模の大規模解析が実行可能です。また、解析速度も従来の差分法コードと同レベルのスピードを実現しました。

Solver GeoWAVEの有限要素法波動伝播解析ソルバについて

波動伝播を有限要素法で数値シミュレーションするためには、波長の10分の1程度以下の大きさのメッシュを用いる必要があります。多くの実用問題では物体の大きさは図1に示すように波長の数十倍程度であり、数値解析のモデルは容易に百万節点から一千万節点以上が必要になります。また、クーラン条件により1ステップ当たり1要素以内の伝播になるように時間ステップを決定する必要があるため、全ステップは数千から数万ステップ以上必要になります。しかしながら、このようなシミュレーションは市販の有限要素法ソフトでは到底実行不可能であるし、スーパーコンピュータでも容易ではありません。

GeoWAVEは、このような超大規模の波のシミュレーションを、安価なパソコンを利用して行う画期的なシステムです。GeoWAVEの有限要素法解析ソルバには、ボクセル型要素を用いており、波動挙動の解析専用に開発されています。これは一般の有限要素法ソフトの性能を数十万節点とすると、約100倍の性能を実現することが可能です。

また数千万節点のモデルを人力で作成するのは不可能であり、一般の有限要素法ソフトのメッシュ生成ソフトも適用困難です。そこで少ないメモリで効率的にメッシュを生成する地質モデル生成コードも有します。

  図1  ボクセル型要素を用いた有限要素法解析に必要な節点数の概算

地形形状を含む詳細な地震波伝播解析が可能。

有限要素法の特長を生かし、有限差分法では表現の困難な地形形状を含む詳細な構造モデルが定義可能です。また、アスペリティを含む高度な断層破壊モデルにより詳細な地震波伝播解析が可能です。

地下構造モデラーを完備。

複雑な地下構造を容易に作成できる専用の地下構造モデリング機能により、素早く簡単にモデルの作成及びモデルの確認が行えます。また、ボクセル型自動メッシュ生成機能により大規模なメッシュを瞬時に生成することができます

Modeling モデル化手法について

GeoWAVEで用いられている有限要素法はボクセル型有限要素法であり、これはメッシュ生成時に同一地層内領域などユーザが指定した解析効率上必要と思われる任意の領域(サブグリッド)毎に均一メッシュを用い、解析時にメッシュの均一性を用いて解析の効率化を行う手法です。図2にボクセル型有限要素法メッシュモデル作成の概念図を示します。ここでモデル境界は階段状になりますが、メッシュサイズを地震動波長に比べて十分小さくすることでその影響は無視できる程度に小さくなります。また、均一メッシュやサブグリッドの手法を用いることより、煩わしいメッシュ生成を簡単に行うことが可能です。

 

図2  ボクセル型メッシュモデル作成の概念図

Hardware Requirement 従来の有限要素法との使用メモリの比較

本コードで用いられている有限要素法の定式は式1の通りです。ここで、[M],[C],[K]は、それぞれ質量マトリクス、減衰マトリクス、剛性マトリクスであり、{P}は外力ベクトル、また、は、それぞれ加速度ベクトル、速度ベクトル、変位ベクトルになります。また、時間増分については、陽解法を用いています。

式1

なお、従来の有限要素法では、式1に示される質量マトリクス、減衰マトリクス、剛性マトリクスについて、メッシュ形状に関するパラメータをメッシュ毎に保持する必要があり、メッシュ数に比例した膨大なメモリを消費します。しかし本システムで用いている有限要素法の手法では、質量マトリクス、減衰マトリクス、剛性マトリクスについて、均一メッシュ領域毎にメッシュ形状に関するパラメータを圧縮しているため、これらのマトリクスを保持するにはたかだか均一領域(均一メッシュ領域)に比例するメモリが必要なだけとなります。また式1に示される微分方程式の各時間ステップ計算時には圧縮したメッシュ形状に関するパラメータを個々のメッシュに関する計算時に展開して利用できるため効率よく解析を行うことができます。

なお、従来の有限要素法の波動解析に必要なメモリとボクセル型有限要素法に必要なメモリを比較したものを図3に示します。これより、本コードでは従来の有限要素法に比べて約50分の1程度のメモリで解析可能であることが分かります。

 

強力な解析結果表示機能。

アニメーション・スライドショー機能で印象的なプレゼンテーションを素早く作成できます。また、任意位置の時刻歴地震波形を表示できます。これらの表示は解析中でも確認できるため、解析経過をリアルタイムでモニタできます。

ユーザフレンドリなGUI。

MS-Windows上のGUIを用いた統一環境でモデル作成、解析実行、解析結果の処理を行うことができる最新のユーザインターフェースを完備しており、熟練者でなくても簡単に地震波伝播解析を行うことができます。また充実したオンラインヘルプ機能を装備しています。