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開発/設計工程に携るエンジニアにとって、コンポーネント(やユニット)単体の詳細な検討とシステム全体の検討は共に必須です。そこでエンジニアは、両者すなわち3D CFDと1D CFDの各々の計算結果を、他者への境界条件として手動で設定する方法を実施しました。その結果、3D CFDの境界条件の準備時間の短縮や1D CFDシステム上の様々な影響を考慮することが可能となり、その有用性を確認することができました。
しかし手作業は煩雑であり、かつ人為的なミスも発生しやすい為、更なる改善が必要になりました。
上記のような問題を解決させる手段、すなわち3D CFDと1D CFD(Flowmaster)のCo-Simulationを実現させるのがCFDLinkとなります。
FlowmasterのCFDLinkは3D CFDで実績のあるFluent IncのFLUENT、そしてCD-Adapco GroupのSTAR-CDとのCo-Simulationをサポートします。また主な特徴を下記に示します。
- 使いやすいGUIを採用
- Flowmasterのプロジェクト、モデルそして解析オプションの設定
- 境界条件と緩和係数の設定
- 3D CFDのユーザ定義関数を活用
- FLUENTはUnix及びWin32プラットフォーム(Windows2000、XP)を、そしてSTAR-CDはUnixプラットフォームをサポート
- データ通信としてRPCを使用
事例:自動車エンジン冷却サーキット
図1は自動車エンジン冷却サーキットの概略図です。この図のように、シリンダーヘッド及びシリンダーブロック部(赤色の部分)では、冷却水はウォータジャケット(クーリングジャケット)と呼ばれる複雑で入り組んだ流路を通過します。
このような複雑な冷却水流路を形成するウォータジャケットの設計/開発には、歪みや不具合の原因となる局所的なホットスポットを抑制する必要があり、その結果、図2のような3D CFDを使用した検討が一般的です。
![]() 図1 自動車エンジン冷却サーキットの概略図 |
また同時に、図1の水色部で示したようなエンジン冷却サーキット全体の熱マネージメント検討も必須であり、この場合Flowmasterに代表される1D CFD(図3)を使用します。
![]() 図2 3D CFD ウォータジャケットモデル |
![]() 図3 1D CFD(Flowmaster)冷却サーキット |
3D CFD解析の境界条件(図1の赤色部分と水色部分の接合箇所)は、エンジンの除熱量、ポンプ回転数、通風流量の変動等に大きく影響されます。その結果、計算だけでなく境界条件を想定するにも時間が掛かる場合がありました。
そこでCFDLinkを使用し、図4aに示すように3D CFDと1D CFDの境界条件のIDを設定、Co-Simulationを実施しました。
すなわち3D CFDの境界条件設定作業をFlowmasterの計算結果から自動的に割り当て、割当てた境界条件を使用し、3D CFD側で計算を実施します。そして3D CFDの計算結果をFlowmasterの冷却系モデルに自動的に割り当て、Flowmaster側で再度計算し、計算結果から3D CFDの境界条件を設定するという手法です(図4b)。
![]() 図4a CFDLink イメージ図 |
![]() 図4b CFDLink Co-Simulation |
解析結果の一例を図5及び図6に示します。
![]() 図5a 3D CFD解析結果 圧力分布(静圧) |
![]() 図5b 3D CFD解析結果 流跡線(パスライン) |
![]() 図6 Flowmaster解析結果 圧力分布(全圧) |
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以上の検討結果をまとめると、Co-Simulationの解析結果は、
- ウォータジャケットの圧損は、3D CFD単体よりも12%程増加
- ラジエータを通過する冷却水流量は、Flowmaster単体よりも13%程増加
- ポンプが単体解析結果と異なる運転ポイントで稼動
となりました。そして3D CFDと1D CFDのCo-Simulationは、下記のような有用性を確認できました。
- システム性能の把握が境界条件(定常と非定常状態)のより正確な理解を可能にする。
- これは何らかの仮定を設けることの低減につながる。
- 即ち、処理の繰り返しの低減につながり、それ故に迅速な解の収斂に至る。
- より精度の高いシミュレーションで、早期の問題識別を可能にする。
- 故に、時間と費用の削減が期待できる。








