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詳細FLAC/FLAC3D:2次元/3次元有限差分法解析プログラム

バージョン情報


FLAC3D V.6.0 好評発売中

FLAC3D のニューバージョン、V.6.0を好評発売中です。
今回の大規模なバージョンアップでは主に、操作性、モデリング機能、モデリングの設定速度などを向上する新機能をご提供します。
以下にFLAC3D V.6.0に追加された新機能の一部をご紹介します。

メッシュ作成機能
インタラクティブモデリング機能
構造要素に関する新機能
新たな構成則
コマンドとスクリプトの改良
FLAC3D V.6.0でのPFCの使用
ヘルプ機能の改良
その他機能追加項目

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メッシュ作成機能

FLAC3D V.6.0ではV.5.0から導入されたメッシュ生成ツールセットが更に拡張されました。
V.5.0では、ジオメトリベースのメッシュ生成機能である、サーフェスとボリュームからのオクタント(八文木)メッシュの自動生成機能、地形学的な押し出し機能、2次元押し出し機能が追加されました。
V.6.0では、新たなBuilding Blocks機能により、インタラクティブな構造メッシュ作成機能、既存のジオメトリ上にジオメトリからブロックを生成する機能、ドレープブロックを生成する機能など、より簡単なメッシュ生成機能が提供されています。
また、 形状入力機能(import)ではABAQUS、 ANSYSのメッシュも取り込めるように拡張されました。

Building Blocks機能

Building Blocks機能は、3次元押し出し機能と同種のビルトイン・インタラクティブ・メッシュ生成機能です。
ユーザーはCADデータ(DXF、STL)をインポートして、関連するブロックを強力で簡単な操作機能によって組み立てることが出来ます。
この機能は参照ポイントとして機能し、様々な操作、Building Blocksオブジェクト(ブロック、フェース、エッジ、グリッドポイント)の位置、スケール、回転等の操作を可能にします。

構造的な要素作成機能(Structured Meshing)

インポートしたジオメトリ(DXF又はSTL)上にブロックポイントを設定することで、単純なブロックから最終的なブロックのセットを構築することが出来ます。
斜めにブロックを分割することにより、放射状のメッシュを作成することが出来ます。メッシュは、コントロールポイント、ポリラインを使用することにより、円弧やスプラインにフィッティングできます。
ブロックは一連の変形と属性の設定により、完成します。

修正機能(Draping)

新たなdrape コマンドは、インポートされたジオメトリのエッジにブロックのエッジをフィッティングすることに使用できます。
コマンドは、ボディーポイントとコントロールポイントを指定された方向に、ジオメトリセットのポリゴンに一致するまで移動します。(ジオメトリセットはラインではなく、ポリゴンを持っていなければいけません。)
付加ブロックとコントロールポイントは、drapeコマンドの結果の精度に影響します。

メッシュインポート機能

Itascaのグリッドデータフォーマットに加えて、FLAC3D .6.0ではABAQUSフォーマット(*.inp)とANSYSフォーマット(nlist、elist(*.lis))のファイル形式をインポートすることができます。

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インタラクティブモデリング機能

このモデルダイアログは、モデル操作のためのインタラクティブな作業スペースです。
モデル表示のみのプロットビューとは違い、そのモデルダイアログ内では、対象とするモデルオブジェクトの操作を行うために選択、フィルター、表示/非表示の操作が行えます。

オブジェクト選択機能

  • 表示、選択およびゾーンとゾーンフェイスのオペレーション
  • マウスとキーボードを使用したゾーンの非表示(shift)、複数選択(ctrl)
  • ブレイクアングルによって定義された平面を使用した、シンプルおよび複雑なサーフェス上のゾーンフェイスの選択
  • ビジュアルとプロパティベースのレンジ指定ツールをゾーンとフェイスの選択に利用可能
    ビジュアル:直方体・ポリゴン・楕円・球・円
    プロパティベースツール:
     ID・IDリスト・グループ・エクストラ・エクストラリスト・方向
     CModel(ゾーン構成則モデル)・インターフェース・サーフェス・STRUCT(構造要素)
  • 表示/非表示・削除・カラー変更・グループゾーンおよびサーフェス
  • 領域内ゾーン分割数の増加
  • 2次元構造要素の追加
  • ゾーンフェイスからジオメトリデータの直接生成

グルーピング

  • すべてのモデルブロックは、デフォルトでブロックIDから自動的に初期グループネームが割り当てられます。
  • 自動スキニングツール(skinning tool)はブレイクアングル設定から内部、外部の境界を自動的に命名します。
  • ディスアンビギュエイトツール(Disambiguate tool)は、ゾーン、フェイスに関連したすべてのグループを検索するツールです。与えられたオブジェクトが複数のグループに割り当てられる場合、望ましいグループの選択を容易にします。
  • グループスロットは制限なく定義できます。

APPLYロジックと境界条件

モデルダイアログでサーフェスの選択や参照が簡単になったことで、APPLYロジックと境界条件がより簡単に処理できるようになります。
また、APPLYロジックは自動化およびプロットの改良のために書き換えられました。

  • 簡単なローカル座標系での境界速度条件指定
  • 自動逐次掘削
  • 動的解析におけるWestergaard動水圧(放物線によって代表される動水圧)の追加。
    このアプローチは、ダムや貯水池にかける動水圧の計算に広く使われています。(USDOI, 2011)
  • 局所的FISHの係数を適用 ― 時間と空間に対するAPPLYコマンドの変更
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構造要素に関する新機能

岩や地盤を支持する支持構造物の利用は地質工学分野の数値解析・設計において重要なポイントです。FLAC3Dでは、任意形状の支持構造物と物性値、さらに支持構造物と岩、地盤の相互作用を表現することができます。FLAC3Dでは、ビーム要素、ケーブル要素、パイル要素、シェル要素、ジオグリッド要素、ライナー要素といった構造要素を利用することができます。FLAC3DV.6.0の第一の目標は複雑な形状の構造要素を容易に追加し、取り扱うことです。

2D 構造要素

モデルが表示されたGUI画面上で任意の面を選択することで、シェル要素、ライナー要素、ジオグリッド要素といった支保工を容易に設定することができます。そして下図に示すように"Create 2D Structural Element"ダイアログが表示されますので、要素タイプやグループを設定することができます。下図はGUI画面の“Select Face Using Break-Angle”ツールを使用して湾曲したトンネル壁面を選択した例になります。
種類の異なる支保工や設置位置によってグループ分けすることで、物性値の変更、施工ステージ解析も簡単に実施することができます。

内部表面

Element”ダイアログの”Separate”オプションを使用することで、2次元構造要素と同様に選択したモデルの内部表面に沿ってライナー要素やインターフェースを設定することもできます。これによってインターフェースの剥離やすべりを設定することができます。

CADデータの利用

構造要素(ケーブル要素、ロックボルト要素、ビーム要素、ライナー要素、その他…)はCADデータから直接作成することができます。Rhino3D や他のCADソフトウェアの簡単なコマンドを利用して、構造要素を3次元ラインデータやメッシュとして解析モデルに設定することができます。複数のCADデータを読み込む際にそれぞれグループ分けすることで、物性値の設定や施工ステージ解析を容易に実施することができます。
以下にロックボルトと吹付けコンクリートを僅かなコマンドで設定している例を示します。

geometry import 'rockbolts.dxf'
struct cable import from-geometry 'rockbolts.dxf' group 'primary'
struct liner import from-file 'shotcrete.dxf' group 'secondary'
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新たな構成則

塑性硬化モデル(Plastic-Hardening (PH) Model)

塑性硬化(PH)モデルは、土の挙動をシミュレーションするためのせん断および体積硬化構成モデルです。土は偏差荷重が作用すると、不可逆的変形を伴う剛性低下を示します。ほとんどの場合、排水三軸試験で得られた軸方向の歪みに対する偏差応力のプロットは、双曲線で近似することができます。このモデルはDuncan and Chang(1970)で論じられた非線形弾性モデルとして定式化された「Hyperbolic-soil」モデルです。
新しいPHモデルは、元の非線形弾性モデルの定式化の主な欠点の除去を可能にし(例えば、載荷/除荷パターンの検出、非物理的な体積弾性係数)、硬化可塑性(Schanz et al. 1999)に基づき定式化されます。
このモデルはラボテストや現場試験のいずれかを使用して比較することが容易であり、土木でおなじみの材料、名前、および表記法を使用しています。
詳細については、これらの資料をご確認ください。

 Plastic hardening model I: Implementation in FLAC3D
 Plastic hardening model II: Calibration and validation
 Plastic hardening model III: Design application

※FLAC3D V.6.0の正式リリース前にV.6.0をプレパーチェスで購入すると、このPHモデルのFLAC3D V.5.0用のDLLを利用できます。したがって今すぐPHモデルが使用できるようになります。

膨潤モデル(Swell Model)

膨潤モデルは、Mohr-Coulomb構成モデルに基づいています。その違いは、湿潤前の状態のモデルに湿潤ひずみをカップリングさせるという湿潤性変形が考慮されます。その湿潤性ひずみはユーザーが定義した主膨張方向において正規化された圧縮応力の対数もしくは線形関数に従うこととなります。

ユビキタス・異方性モデル(Ubiquitous-Anisotropic (CANISO) Model)

異方性(横等方性)弾性を有するユビキタスジョイントモデルは弱い方向の面(弱面)を表現します。その弱い面は等方弾性面と同じ方向を有します。向きを与えられた平面における破壊基準は引張なしのMohr-Coulombの包絡線によって構成されます。 このモデルは、積層(ラミネート)材料の挙動をシミュレーションするのに有用です。

モールクーロン引張モデル(Mohr-Coulomb-Tension (MOHRT) Model)

このモデルは、従来のMohr-Coulombモデルと同じ材料パラメータを必要とします。これは、ゾーンが3つの相互に垂直なクラックまで持つことができることを想定しています。各クラックが完全にゾーンを突っ切ってカットします。(最初に等方性である)引張強度を超えると、クラックが主引張応力に対して垂直方向に形成されます。瞬間的な軟化の結果としてクラックに垂直な引張強度(異方性となる)はゼロに設定されます。クラックの開閉は内部で追跡されています。クラックの垂直引張強度がゼロであることを除いて、モデルはクラックが閉じた後にクラックが存在しないように動作します。

キャップモデルの更新(Cap-Yield (CYSOIL) Model, Updated)

このモデルは、Mohr-Coulombの摩擦と粘着を含むせん断包絡線および形状パラメータによる定義される楕円状体積キャップによって特徴づけられる土の歪硬化構成モデルです。
このモデルには以下の機能が含まれます。

  • 等方的な圧縮試験において観察された体積べき乗則のキャップ硬化則
  • 排水三軸試験で観察された双曲線応力-ひずみ関係の摩擦硬化則
  • 土のせん断結果として起こった戻らない体積ひずみのダイレタンシー則

FLAC3D 5.0で実装されていたモデルと比較すると、これらの機能はすべて更新バージョンが組み込まれています。更新されたモデルは内蔵された定式化とユーザーがテーブル形式で硬化/軟化則を定義することができます。ユーザー定義の摩擦、膨張、収縮、引張強度、またキャップ圧力といった特定の材料物性が入力されている場合、対応する内蔵の定式化よりも優先的に採用されます。

べき乗-モール-ユビキタス クリープモデル(Power-Mohr-Ubiquitous Creep (CUPOW) Model)

このクリープモデル(FLAC3Dのクリープオプションが必要)は、べき乗クリープ則、Mohr-Coulomb破壊則、およびユビキタスジョイント構成則を兼ね備えています。このモデルはユビキタスジョイント岩盤にパワー型クリープの粘弾塑性力学的挙動をシミュレートします。

ユーザー構成則(C++ User-Defined Material (UDM) Model)

マイクロソフトのVisual Studioテンプレートを利用して簡単かつ迅速にユーザー定義材料モデル(UDM)が作成できます。

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コマンドとスクリプトの改良

コマンド規則の更新

FLAC3D V.6.0では全てのコマンドが以下の構文に変更されました。

NOUN - VERB - OPTION - MODIFIERS – RANGE
(名詞 – 動詞 – オプション – 修正事項 – 適用範囲.)

例)
FLAC3D 5.0 の規則: APPLY xvelocity 5.0 gradient (0,0,1) range group punch
FLAC3D 6.0 の規則: zone apply velocity-x 5.0 gradient (0,0,1) range group 'punch'

本改良の最終的な目的は、他のItascaソフトウェアとの統一、直感的かつ平易に習得・適用可能なコマンド規則とすることです。もちろん、本改良によってコマンド規則を再度習得する必要がありますし、既存のコードの書き換えが必要になります。ただし、FLAC3D V.6.0のHELPボタンからFLAC3D5.0のコードからの変換ツールが提供されます。このツールは読み込まれたデータファイルがFLAC3D V.5.0のデータファイルであった場合、自動的に判別しFLAC3D V.6.0のコードに変換します。万一、不明点があるか、自動変換ができない場合は、該当箇所をマーキングし、ユーザーに確認するように促します。ただし自動変換の成功率は非常に高く、多くのデータファイルが自動的に変換できます。

FISHプログラミング規則の改良

コマンド規則と同様に、FISH プログラミングについてもより明確に、直感的かつ容易に使用できるように改良されました。改良された構文は、変数または関数を含んだオブジェクト参照構造となっており、C++やVisual Basicといった現代的なプログラミング言語と似ております。下記にFLAC3D V.5.0(左)とFLAC3D V.6.0(右)のFISH関数の例を示します。尚、FLAC3D V.6.0の例はFLAC3D V.6.0に実装されたコード変換ツールを用いています。

FISH グローバルシンボルコントロールセット

FISHグローバルシンボルコントロールセットが実装されました。FISHグローバルシンボルコントロールセットはグローバルなFISH変数、関数の値や状態をリアルタイム(計算実行時を含む)で表示するものです(変更はできません)。下図のリストのようにシンボル名、現在の値、型、関数かどうか、関数の場合は引数の数が表示されます。シンボル名または現在の値を右クリックすると、セルの値をクリップボードにコピーすることができます。

その他のFISHプログラミングの改良点

論理型、応力やひずみを扱うための対称テンソル型、行列型(逆行列計算や行列積の機能も追加されております)マップ型(ハッシュテーブル)、構造体といった新しい変数型が用意されました。
付属のMicrosoft Visual Studioテンプレートファイルを使用することで、C++を用いたFISH intrinsicsの開発が容易になりました。
※FISH intrinsics : ユーザーがC++でFISH関数を開発・利用できる機能です。

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FLAC3D V.6.0でのPFCの使用

ITASCAはすべてのソフトウェア(FLAC、3DEC、PFC等)および共有できる機能(プログラムオプション、Pythonスクリプト、FISHなど)をサポートする共通プラットフォームを開発しています。このプラットフォームでは、ソフトウェアを起動したときにライセンス上使用可能な製品およびオプションを決定します。

FLAC3D V.6.0では、オプションモジュールとしてITASCAのPFC3D V.5.0ソフトウェアをロードすることができるようになります。これにより、FLAC3D V.6.0内で直接PFC3Dオブジェクト(ball, clump, wall等)を利用することが可能となります。同様に、PFC3D V.6.0がリリースされるとオプションモジュールとしてFLAC3Dをロードできるようになり、PFC3Dモデルにおいて要素(zone)、構造要素( structural element)や他のコンポーネントを組み込むことができます。

将来は、ユーザーはITASCA製ソフトウェアのどのモジュールを導入するかを検討する際、非常に融通が利くようになり、高度な数値モデリング問題の正確なニーズに合わせてITASCA製品をカスタマイズし、簡単に統合することが可能です。

たとえば、以下の図はFLAC3DモデルのパンチがPFC3Dのball集合体に向かって作用している図(左)とPFC3DのclumpがPFC3Dのwallによって定義されたシュートから落ちていきFLAC3Dモデルのコンベアに乗る図(右)です。それぞれの図においてzoneの応力とballの鉛直変位、zoneの鉛直変位が示されています。

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ヘルプ機能の改良

インタラクティブ ヘルプ(Interactive Help)

FLAC3D V.6.0用の全てのドキュメントがヘルプファイルとして公表されました。
このヘルプファイルにより、ユーザーは内容の素早い検索、レビューやサンプルデータのコピーが可能となります。その中でも重要な、追加、統合された機能「Inline Help」と「Instant Help」の機能を以下に紹介します。

インライン ヘルプ [Ctrl+Spacebar]

Inline Helpツールは、自動的にコマンド入力の補助を行います。このツールはコンソールダイアログ(コマンドプロンプト)またはエディタダイアログ(データファイル)で使用することが出来ます。どちらからでも、[ctrl]+[space]を押すことにより、カーソル上のコマンドまたはキーワードを識別し、後に続くキーワードや値を予測して表示します。ユーザーはリストを確認し、選択されたキーワードを入力したり、ツールの中のサブキーワードを選択したり、そのダイアログを使用しないこともできます。また、ユーザーは現在のコマンド、キーワードを定義するために、いつでもInstant Helpを起動する「F1」キーを押すことにより、Helpファイルを開くことが出来ます。

インスタント ヘルプ(Instant Help [F1])

Inline Helpツールと同様に、コマンドプロンプトまたはデータファイルのアクセスできます。
[F1]を押すとヘルプファイルが自動で開き、定義と一致するキーワードの項目に飛びます。
FLAC3D V.5.0では、この機能はメインコマンドに制限されており、現在のコマンドの定義が記載されたページトップに飛ぶようになっていました。
V.6.0ではその機能がキーワードまで拡張されました。V.6.0では、カーソルがキーワード上にある場合、そのキーワードの上位コマンドを含むキーワード定義部分のヘルプファイルが開きます。この機能は、多くのキーワードを持っている長いコマンドに関して作業時間の短縮に大いに役立ちます。

キーワードヘルプ(Keyword Help [?])

コマンドプロントで[?](+[Enter])を押せばいつでも、与えられたコマンドに対して入力可能なコマンドまたはキーワードのリストが表示されます。

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その他機能追加項目

ゾーンリラックス

ゾーンリラックスの機能では、指定された範囲内のゾーンに特別な「APPLY」条件を指定および変更します。この条件で徐々にゾーンの剛性、応力、および密度を低減することにより材料を「掘削」します。特に弱い材料や内部応力が大きい静的シミュレーション問題では、計算上の慣性効果による掘削周囲領域に非現実的な損傷を与えることを防ぎます。

これらの量の値は内部に時間に対し0.0~1.0から変化する乗数(低減率)を適用することによって低減されます。適正な時間および低減曲線の形状はユーザーによって制御可能ですが、デフォルトでは現状の力学的な力の比によって自動制御されます。低減率がゼロに達すると、ゾーンの力学的な構成則モデルを「null」に設定され、これらの領域に「APPLY」条件が除去されます。与えられた条件に関係するすべてのゾーンが「null」に設定されている場合、「APPLY」条件自体は自動的に削除されます。

入力波ウィザード

入力波ウィザード・ツールは、動的解析に必要な正しい波形を作成するための前処理をサポートします。ウィザードには、以下の機能が含まれています。

  • FLAC3D histoty、FLAC3D tableまたはPEERファイルから地震動データ(速度又は加速度)をインポートできます。また、データの単位を指定できます。
  • 指定されたカットオフ周波数で地震動データの高周波成分をフィルタリングできます。
  • 加速度成分の除去、平均変位量の計算、変位の多項式フィッティング、加速度や速度の低周波正弦関数などを用いることにより、変位や速度のドリフト成分の補正ができます。
  • 処理された地震動データ(加速度、速度、変位、振幅スペクトル、応答スペクトル、地震動強度の単位)をFLAC3D histoty、FLAC3D tableファイルに出力できます。

結果ファイル

結果ファイルは、ユーザーが選択した最小限のデータだけを保存できます。

  • 計算サイクル中、自動又はユーザー指定通りに生成されます。
  • 大規模モデルの場合、「Save」ファイルの5%程度のサイズになります。
  • ユーザー間のデータ共有、アーカイブ作業に効果を発揮します。
  • 但し、次の計算サイクルに使用することはできません。

オプションダイアログでは、保存ファイルにモデルのどの部分(履歴、ゾーン、ジオメトリ、その他)を保存するか、計算サイクル中、どの程度の頻度で保存するかを指定することができます。

ユーザ・インタフェースと表示機能の改善

  • ゾーンプロットの並列処理により、表示速度が高速になりました。
  • 改良されたコントロールパネルはすべてのコントロールセットを網羅します
  • ビルトインファイルブラウザでは、プロジェクトディレクトリのすべてのファイルを表示できます
  • ビューカメラの機能改良(プリセットビュー、カスタムビューの保存、ビューのロック)
  • 流線図の項目設定とコントロール機能の改良
  • プロットアイテムのコピーペースト機能、断面指定、クリップボックス

ビルトイン・テキスト・エディタの改良

  • 構文ハイライト機能の改良
  • ラインナンバリング
  • カラム選択
  • アンドゥ
  • 検索/置換ダイアログの改良
  • オートフォーマットオプション
  • コマンド、FISH言語の記述をサポートするオンスクリーンヘルプの改良

ムービー作成機能の改良

  • 「Save file」、「Result file」のリストとプロットリストを含む自動ムービー作成フレームがウィザードに追加されました。
  • ビットマップアウトプットオプションにプリセットイメージサイズが追加されました。

その他の追加項目

  • 「save/restore」システムのアップデート。今後のFLAC3Dのバージョンでは、SAVファイルの下位互換が可能です。
  • セキュリティロジックの強化
    • ネットワークライセンス使用時に特定のキーを指定することが出来ます。
    • コードとオプションのサーチ機能(複数のキーが存在する場合)
    • キーのエラー時のメッセージ、フィードバックの改善
    • 一つのUSBキーに複数のライセンスを持つことが可能
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